太古、人間が素朴(そぼく)で単純であった時代には、あるがままの生活をして平和そのものであった。それが知恵をもつようになってからは、うそをついたりだましたりすることを覚えて、世の安穏と秩序を乱し恥じない風潮が出てきたことをいう。
〔類〕慧智出(けいちい)でて大偽(たいぎ)あり
〔出〕徒然草(つれづれぐさ)
〔会〕「採用の面接官をやったんだって」「ああ、人それぞれでおもしろかったよ。素朴で実直な子もいれば、頭はよさそうなんだけどずる賢そうな子がいたり」「知恵出(い)でて大偽あり。そのタイプを部下にするのは、ちょっと避けたいね」