怒った相手が茶碗を投げてきたら、柔らかい綿で受け止めるのがよいということで、向こうが強く出てきたときには、軽く受け流すのが賢明であることをいう。
〔類〕悪に敵すること勿(なか)れ/柔よく剛を制す/茶碗をば綿で受ける
〔出〕俳諧(はいかい)・毛吹草(けふきぐさ)
〔会〕「あんまりにも腹が立ったから、思い切り言い返してやったの」「だめよ奥さん、夫婦げんかのときは、こっちも同じ調子で怒っちゃ負け。茶碗(ちゃわん)を投げれば綿で抱(かか)えよっていうじゃない。むきにならないことね」「そうかもしれませんね」