全体から見れば同じことなのに、目先だけの違いに惑わされることをいう。また、狡猾(こうかつ)な手段を用いて人を愚弄(ぐろう)することにたとえる。むかし中国の宋(そう)の時代、狙公(そこう)が飼っていた猿(さる)に橡(とち)の実を与えるとき、朝に3粒、夕方に4粒をやろうと言ったところ猿が大いに怒ったので、それでは朝に4粒、夕方に3粒ではどうかと言ったところ喜んで納得したという故事による。
〔出〕荘子(そうじ)
〔会〕「今年の昇給、いつもより低いじゃないですか」「不景気なんだ、我慢してくれ。そのかわり、ボーナスをはずむように考えているから……」「そんな言い訳は聞きません。朝三暮四(ちょうさんぼし)では、ごまかされません」