後ろ盾の権勢を頼って、力の弱い人間が空威張りすることをいう。狐を捕らえた虎が食おうとすると、「自分は天帝から遣わされたものだから、食うと天罰が下る。うそだと思うなら自分のあとについてきてみよ。百獣はみな逃げ出すから」という。虎は自分を恐れて獣たちが逃げ出すとも知らずについてゆき、そのとおりの事実に驚いたという故事による。
〔類〕獅子(しし)の皮を着た驢馬(ろば)
〔出〕戦国策(せんごくさく)/沈約(しんやく)
〔会〕「うちの課長って、部長が隣にいるときだけ威勢がいいんだから。ほんと、まいっちゃうよな」「ああ、虎(とら)の威を籍(か)る狐(きつね)みたいだな。あの調子で、奥さんがいるときだけ子供たちの前で威張っているんじゃないのか」