(「地頭」は平安時代から鎌倉時代に荘園を管理していた権力者) 聞き分けもなく泣いている子供と、権力をほしいままにしている地頭には勝てないということから、権力をもつ者の前に出たら、どんなに道理を尽くしても無駄であるから、長いものには巻かれるのがよいことにたとえる。
〔類〕主人と病気には勝てぬ/泣く子には千人の武者も叶(かな)わず
〔出〕滑稽本(こっけいぼん)・人間万事虚誕計(にんげんばんじうそばっかり)
〔会〕「おい、また彼女にプレゼント買わされたんだって」「ああ、泣く子と地頭には勝てぬっていうからさ。だって、彼女、買ってあげないと、ほんとうにお店の前で泣くんだぜ。まいるよな」