(「干城」は国家を守る将軍) わずかの過失をとがめて、有用な人材を失うことにたとえる。中国の春秋時代に、衛の国にいた孔子の孫の子思が、苟変(こうへん)という人物を衛侯に推薦した。ところが衛侯は、「苟変という人物は知っているが、かつて人民に卵二個ずつを割り当てて徴集したことがある。だから、用いようとは思わない」と答えた。これに対して子思は、「人を用いるときはその人物の長所を採り、欠点は捨てるべきだ」と答えて苟変を用いることにした、という故事にもとづく。
〔出〕孔叢子(くぞうし)
〔会〕「こんど、和田君をプロジェクトメンバーから外そうと思うんだが」「待ってください、二卵を以(もっ)て干城(かんじょう)の将を棄(す)てるようなまねは。それは彼は思ったことをすぐ口に出すところがあります。でも、それが彼の長所でもあり、リーダーとして信望が厚いんですから」