(「青山」は骨を埋める場所) 人間はどこにでも骨を埋める場所ぐらいはあるということで、故郷ばかりが墓所ではないことをいう。人間は大志を抱き、故郷を出て大いに活躍せよという教訓。蘇軾(そしょく)の詩に「此(こ)の処青山骨を埋むべし」とあることから、「青山」は「埋骨」の地をさす。また、この句全体は幕末の僧・月性の作といわれる「……骨を埋むる豈墳墓(あにふんぼ)の地のみならんや。人間到る処青山有り」から採ったものであるが、一説には月性の作ではなく、村松文三の詩だともいわれる。
〔類〕青山を埋むべし
〔会〕「おまえ、アメリカで暮らして日本料理屋を始めるって聞いたけど、大丈夫なのかい」「なんとか頑張ってみるよ。人間到(いた)る処青山(ところせいざん)有りっていうからさ。ところで、このことわざ、アメリカ人に通じるかな……」