(「盤根錯節」は絡まり合った根っこや入り組んだ木の節) 切ることが困難な木を切るときに、はじめて使用する道具の真価を判断することができる。人間も困難な事態を迎えて、はじめて実力を知ることができることをいう。中国の後漢の安帝の時代、虞く(ぐく)が盗賊の横行する朝歌という土地の長官に任じられた。そのとき同情した友人たちを前に、虞くはこの句によって答えたという故事による。
〔出〕後漢書(ごかんじょ)
〔会〕「ご栄転、おめでとう。でも、あの地域はいろいろと問題が多いからたいへんだね」「いやいや、かえってやる気がわいてきますよ」「おっ、頼もしいな。盤根錯節(ばんこんさくせつ)に遇(あ)いて利器を知るだ、きみの力が試されるときだから、頑張ってくれたまえ」