男女が夢のなかで結ばれ、細やかな情交を交えることをいう。むかし、中国の楚(そ)の懐王が高唐に遊んだとき、昼寝の夢に婦人が現れ契りを結んだが、別れ際に「自分は巫山(四川省にある名山)の嶺にいる神女で、朝には雲に夕べには雨となる」と言ったという故事による。
〔類〕巫山の雨/巫山の雲雨/巫山の春
〔出〕文選(もんぜん)
〔会〕「どうも直美ちゃん、おれに気があるみたいなんだ」「また始まった。ふられるまでのお楽しみさ。ゆっくりと巫山(ふざん)の夢でも見てるがいいさ」「まあ、黙って見てろって。こんどは射止めるぞ」