何度も自分の肱を折ってみて、苦痛を体験してのち、はじめて一人前の医者となることができるというたとえ。あるいは、患者の肱を何度も折ってのち、やっと医者になれることともいう。いずれにせよ、人間は苦労を重ね豊富な経験を通して、やっと円熟した境地に至ることができることをいう。
〔類〕九たび肱を折りて良医となる
〔出〕春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)/楚辞(そじ)
〔会〕「若いころは勉強したくてもお金がなくて、苦労したなあ」「三たび肱(ひじ)を折って良医となる。そうして苦労を重ねてきたから、人の気持ちの分かる経営者になれたんだよ」