(「蘭麝」は蘭の花と麝香の香り) 蘭や麝香の置いてある部屋に入った人は、それだけで、ひとりでによい香りがにおいたってくる。環境がよければ自然に感化されて、よい習慣を身につけることにたとえる。
〔類〕善人と居(お)るは芝蘭(しらん)の室に入るが如(ごと)し
〔出〕浄瑠璃(じょうるり)・前太平記古跡鑑(ぜんたいへいきこせきかがみ)
〔会〕「金も資産もないおれたちだけど、娘を名門小学校に行かせてよかったなあ」「ほんとうねえ。最近はあの子もなんだか品が出てきたみたい」「やっぱり、蘭麝(らんじゃ)の室に入る者は自(みずか)ら香(こうば)し、だな」