(1)二人の人間が、口角泡を飛ばして議論に夢中になっているようなときは、それに乗じて利益は第三者が取るのがよい、というたとえ。
(2)物事を論じようとするときには、極端に走ることを避けて、中庸の立場に立つのがよいことをいう。
〔出〕(1)狂言(きょうげん)・茶壺(ちゃつぼ)
(2)諺草(ことわざぐさ)
〔会〕(1)「今年の社内恋愛花嫁争奪戦はなかなか興味深かったですね、社長」「うん、安藤君と安西君が張り合っていたすきにまんまと北野君が南田さんを射止めたのだからね。まさに、論ずる者は中から取れだ。来年も楽しみだのう、専務」
(2)「最近の政府の動向は、絶対に右翼化が進んでいる。きみもそう思うだろう」「私は政治には詳しくないんで。論ずる者は中から取れの立場をとらせていただきます」