現在の日本で秋といえば、慣習的には9月から11月の3カ月を指す。また、天文学上の秋は、日本を含む北半球では、秋分の日(現在の陽暦で9月23日頃。以下同)から冬至(12月22日頃)までをいう。これが暦上の「節気」でいえば、秋は立秋(8月8日頃)から立冬(11月8日頃)の前日までということになる。
こう考えてくると、今生きている我々の感覚と最もズレているのが暦上の節気ということになるが、ではその「節気」とは何なのか。節気とは「二十四節気(にじゅうしせっき)」のこと。そして二十四節気とは、暦に記した中国伝来の季節の区分点のことで、暦作成上の様々なズレを考慮、修整しながら、現在の形に至ったものである。立春から順にあげてみよう。
立春(2月4日頃)、雨水(うすい、2月19日頃)、啓蟄(けいちつ、3月6日頃)、春分(3月21日頃)、清明(せいめい、4月5日頃)、穀雨(こくう、4月20日頃)。
立夏(5月6日頃)、小満(しょうまん、5月21日頃)、芒種(ぼうしゅ、6月6日頃)、夏至(6月22日頃)、小暑(しょうしょ、7月7日頃)、大暑(たいしょ、7月23日頃)。
立秋(8月8日頃)、処暑(しょしょ、8月23日頃)、白露(はくろ、9月8日頃)、秋分(9月23日頃)、寒露(かんろ、10月9日頃)、霜降(そうこう、10月24日頃)。
立冬(11月8日頃)、小雪(しょうせつ、11月23日頃)、大雪(たいせつ、12月7日頃)、冬至(12月22日頃)、小寒(しょうかん、1月6日頃)、大寒(だいかん、1月21日頃)、以上である。
この他、暦上には「雑節(ざっせつ)」と呼ばれる季節の区分点、期間もある。主なものに、節分、彼岸(春秋)、土用、八十八夜、入梅、半夏生(はんげしょう)、二百十日など。
二十四節気、雑節ともに、農事に深く関連した季節の区分点であり、民間信仰や伝統的な年間行事と密接に結びついている。