「雪国」といえば越後(新潟県)や信濃(長野県)、津軽(青森県)など、人によってイメージが異なるかもしれないが、「雪まつり」といえば、ほとんどの人が北海道・札幌の「雪まつり」を思い浮かべるのではないだろうか。あの巨大雪像で知られる、雪の祭典である。雪の少ない年などは、あの雪像ができるのかどうかが話題になるほど、日本の冬季を代表するイベントとして定着した。
「さっぽろ雪まつり」は、昭和25(1950)年に始まった。きっかけは、大通公園に地元の中学生や高校生が雪像を作ったことといわれている。これについては、さらに雪国らしいルーツが語られている。一つは戦前の札幌一中の生徒たちがやった「雪会戦」。これは、いわば札幌のエリート学生が始めた雪中の騎馬戦で、明治31(1898)年からの伝統行事。二つめは大正14(1925)年に始まった「氷上カーニバル」。これは市民の仮装スケート大会だったという。そして三つめは昭和10(1935)年から小樽の小学校で行われていた雪像展。いずれも雪国の若者の元気さと、新天地北海道の自由さ、ユニークさが感じられる催しである。
こうしたルーツを持つイベントだけに、雪像コンクールも1974年から国際的に開放された。2008年の参加チームはアメリカ、中国をはじめ15の国・地域、都市から。北欧スウェーデンやフィンランドからというのは分かるが、ハワイやグアム、マレーシアのチームなどは、雪を扱うのもひと苦労だろう。
08年で第59回を数えるこの催事は、さらに国際的な注目も浴び、近年はアジア各国からも多くの観光客を集めている。また、ちょうど季節が逆になるオーストラリアからの観光客も増えているとのことである。
開催日は基本的に2月5日から11日だが、土曜、日曜の関係でずれることもある。大通公園を主会場に、すすきの会場、さとらんど会場周辺でも、会期中にさまざまな催しが行われる。