「暑中見舞い」は、いわずもがな、ではあるが、「暑中」に対する「見舞い」である。「見舞い」とは、「大変困難な状況にある人を励まし慰めるために手紙や金品を贈ること」という意味で間違いないところだろう。では、大変困難な状況=「暑中」とは何か、ということになる。
「暑中」とは、もちろん大きな意味では「夏の暑い時期」ということだが、もう少し意味を限定すると、夏の土用の18日間、あるいは19日間のことを指す。
それでは、「夏の土用」とは何か。現在、一般的には「土用」は夏場の一時期のことをいっているが、本来、土用とは、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前18日間、あるいは19日間のこと。このように、土用は年に4回あるわけで、そのなかで「夏の土用」といえば、立秋、つまり8月7日ごろの前の18日間あるいは19日間をさす。2008年の場合、土用の始まり(「土用の入り」という)は7月の19日ということになるから、その日から、立秋の前日の8月6日までが土用であり、つまり「暑中」ということになる。
もう少し季節的にいえば、梅雨明けから大暑(7月22日ごろ)を挟んで立秋の前日まで。本当に、暑さの盛りである。
この、誰もが体調を崩しそうな時期を気づかって、親しい人に手紙や金品を送って励ましや慰めとする。これが「暑中見舞い」ということになるわけだ。
こういうふうに「暑中」を規定しているのだから、同じような内容で手紙を出したり贈り物をする場合、立秋以降ならば、当然「残暑見舞い」となる。