バンダイが96年11月に売り出した卵形の小型携帯ペット(1980円)。スタートさせると卵から仮想の生物がかえり、エサをやり、フンの始末をし、遊んでやり、しつけをして大切に育てると、やがて大人になり、育て方によって「おやじっち」などキャラクターに違いが出る。広告なし、口コミのみの販売だったが爆発的にヒット、続く「新種発見! たまごっち」「てんしっちのたまごっち」も含め1300万個以上を売った(97年9月末現在)。人気が出過ぎて極端な品不足状態となり、販売の告知が店頭に出るとたちまち数百人の行列ができ、ラジオ局の「10個プレゼント」に3日間で15万通の応募が届く。1個3万~8万円で売買され、パチンコでは9000円相当の景品に。インターネットや雑誌を使った「通販サギ」、暴力団員のたまごっちにかこつけての恐喝、たまごっちほしさの暴力事件、たまごっちに気を取られての交通事故など、各種事件も氾濫した。相次いで類似品が現れ、即座に完売、本家は訴訟に踏み切らざるをえない状況となった。関連商品も400種に迫る勢いで、バンダイはたまごっち柄ネクタイ等を発売。育成過程を記録する『たまごっち母子手帳』(ワニブックス)はシリーズ3冊で121万部売れた。ホ