早稲田大学政経学部の学生・乙武洋匡さんが書いた自伝『五体不満足』(講談社)が、98年10月の発売以来、ベストセラー上位を占め、発行部数415万部(99年9月末現在)に達した。3月には韓国でも翻訳出版され、ノンフィクション部門のベストセラーに輝いた。生まれつき手と足がない先天性四肢切断を、障害ではなく「超個性的特徴」ととらえ、「障害は不幸ではない」と主張してきた乙武さんは、障害者への偏見をなくしてバリアフリーを進めるためにも、と積極的にメディアに登場。明るいキャラクターで共感と支持を集め、3月からはテレビニュースでサブキャスターも務めるようになった。