ハンバーガーや牛丼に代表されるファストフードの対極で、「食べる」という行為にこだわり、効率一辺倒の現代生活を見直そうという動き。もともとは1989年イタリア北部の小さな町で文化人らが始めたサークルで、「食事ぐらいゆっくり楽しもう」というメッセージが共感を得た。民間非営利組織(NPO)の「スローフード協会」はファストフードの本場アメリカを含む40近い国や地域に支部が広がり、会員数も7万5000人を超える。2000年末には日本にも支部が発足、伝統的な食材や料理を守り、安全で良質な食材提供を促進するなど、食文化の啓発が目的。スローフードをコンセプトにした飲食店や、スローフードのレシピ付きの音楽CDの発売も話題になっている。