大阪・堺市で96年初夏から猛威をふるった病原性大腸菌O‐157の原因・感染経路が解明できなかったため、生鮮食品の売り上げが大幅ダウン、焼き肉・寿司屋などの飲食店も打撃を受けた。8月7日、菅直人厚生大臣は、堺市の集団感染の原因食材として、カイワレダイコンを「断定はできないが、その可能性も否定できない」とする厚生省の中間報告を発表。とたんにカイワレが店頭から消えた。厚生省の「カイワレ犯人説」に日本かいわれ協会は潔白を唱え、訴訟も辞さぬと抗議文を提出。菅厚相は15日、カイワレ3パックを平らげて安全性をパフォーマンスすることになった。結局、9月末に出た最終報告でも菌は未検出のまま、「状況証拠」によって「特定のカイワレの可能性が最も高い」とされた。