96年4月、東京都豊島区のアパートで、餓死したとみられる母親(77歳)と長男(41歳)の遺体が発見された。母親は金の支払い等を克明に記した「覚え書き」(日記)を残しており、遺族の了解を得た区が日記を公開、さまざまな反響を呼んだ。区側は、福祉面での対応の不十分さや、日記を一時「処分した」と偽ったことを認め、区長自らが、区長以下福祉部長ら数人に減給などの処分を決めた。7月には餓死直前までの日記を遺族の了解を得ぬまま全文掲載した『池袋・母子 餓死日記』(公人の友社)をはじめ、日記は数点が公刊されている。