経済危機を背景に、船舶の輸送品をねらった海賊行為が東南アジア海域で急増している。なかでも、武装組織が船員を殺傷し船舶自体を乗っ取るシージャックは危険。98年9月には、被害船の船員14人が行方不明になる「テンユウ号事件」が起こっている。世界規模で見ても、海賊による人的被害(死亡)は94年のゼロから98年には67人と急増。10月には、シンガポールで初の「海賊行為セミナー」が開催され、海賊防止へ向けて国際的な協力が模索された。日本でも、99年8月に日本財団が被害予防のための「海賊情報ホームページ」を開設、海賊撃退マニュアルの制作も決めた。