80年代、あのアイドル全盛時代でも、ミリオンセラーは10年間で、わずか8曲にすぎなかった。その8曲は「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザース)、「異邦人」(久保田早紀)、「大都会」(クリスタルキング)、「ルビーの指環」(寺尾聡)、「奥飛騨慕情」(竜鉄也)、「スニーカーぶるーす」(近藤真彦)、「待つわ」(あみん)、そして「さざんかの宿」(大川栄策)。ところが、94年には18曲、95年上半期には何と22曲ものミリオンセラーが誕生したのである。しかもデビューしたばかりで、いきなりという、新手のヒット作り作戦なのだ。「マーケティングの勝利」といわれるミリオンセラー。それでいて「知っている人の方が少ない」ともいわれる「怪物」。