プロレタリア文学の代表作とされる小林多喜二の小説。多喜二の没後75年に当たる2008年を前に、06年、07年にはマンガ版が発行されるなどの動きがあったが、08年1月に毎日新聞に掲載された、作家の雨宮処凛(かりん)と高橋源一郎の格差社会をテーマとした対談で、フリーターをめぐる状況と同作品に描かれた過酷な労働環境が似ていると取り上げられたことなどをきっかけに書店がプッシュし、若者たちの共感を得てブームとなった。新潮文庫より「蟹工船・党生活者」を発行している新潮社では、08年4月に7000部増刷したが、売れ行き好調でさらに5万部を増刷した。