大学を卒業したのに就職難の影響で就職できなかったり、低所得の仕事にしか就けなかったりするため、集団で暮らしている中国の若者を指す言葉。中国全土で100万人いるといわれるこうした若者たちが、家賃の安い郊外の住宅に集まって居住し、毎日群れをなして職場に向かう様子を蟻になぞらえたもので、もともとは、北京大学中国・世界研究センターの廉思研究員が著書「蟻族 高学歴ワーキングプアたちの群れ」(関根謙監訳、勉誠出版刊)で用いたのが始まり。貧しい農民や出稼ぎ労働者などの他の社会的弱者に比べて、知識が豊富なぶん、社会不満増大の原因になりうるとして問題視されている。