鋭敏な嗅覚を使って、自然災害や事故などで瓦礫(がれき)や土砂の下に閉じ込められたり、山中で遭難したりした行方不明者を捜索する犬。17世紀にアルプス山脈で修道士が飼育、訓練していた山岳救助犬が発祥とされ、幼いころから隠れている人間を探し出す訓練を受ける。足跡などから発せられる特定の人物の固定臭をたどる警察犬とは異なり、空気中に漂う不特定の人間の浮遊臭を追うのが特徴。2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、国内の災害救助犬に加え、海外から派遣された災害救助隊に伴われて多くの災害救助犬が被災地入りし、行方不明者の捜索にあたった。