三陸地方に伝わる、津波避難のための教訓。「てんでんこ」は「てんでん(それぞれ)ばらばらに」という意味の方言で、瞬間的な判断が生死を分ける津波からの避難では、家族にも構わず各自が高台に逃げなくてはならないという意味。各自が躊躇(ちゅうちょ)なく逃げることで結果的に被害を少なくできるとされる。約2万7000人の死者・行方不明者を出した1896年の明治三陸地震時の大津波など、度重なる津波の被害から生まれた言葉で、岩手県大船渡市の災害史研究家山下文男が著書などで紹介してきたが、2011年3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による津波被害を受けて、メディアでも大きく取り上げられた。