大量の貨物や人員を高速で輸送する海上交通システムとして、1989年に旧運輸省(現国土交通省)が開発推進を決定した大型貨客船。速力50ノット(時速約93キロ)、貨物積載重量1000トン、航続距離500カイリ(約930キロ)を目標に大手造船7社が開発を進め、2004年に建造費約115億円の実用向け第1号船が進水した。05年11月から東京・小笠原間で就航する予定だったが、原油高などの影響で直前になって計画中止に。新たな就航先が決まらないまま建造した三井造船玉野事業所(岡山県玉野市)に係留されていたが、東日本大震災に伴い、被災者支援に使うことが決定。11年5月、石巻港(宮城県石巻市)に入ると、同月17~31日の入港期間中、希望する同市市民に無料で宿泊サービスを提供した。