災害時などに、権力層にあるエリートたちが「一般の人がパニックを起こすのではないか」と恐れ、エリート自身がパニックを起こすという考え方。アメリカのノンフィクション作家レベッカ・ソルニットの著書「災害ユートピア」(亜紀書房刊、税込2625円)で紹介された概念で、一般人によるパニックよりも、エリートたちのこうした過剰反応こそが社会に重大な影響を与えるとする。同書では、アメリカのスリーマイル島原子力発電所事故の際、住民のパニックを恐れた行政担当者が、原子炉の危険性を住民に迅速に伝えなかった例などが取り上げられている。