海外で経済的に困窮している日本人のこと。滞在先で所持金を使い果たして帰国することができず、ホームレス状態に陥るケースも多い。外務省の海外邦人援護統計によると、2010年に在外公館に援護を求めた「困窮邦人」は総数768人で、そのうち、フィリピンが332人と最も多い。そうしたフィリピンにおける「困窮邦人」を、「日刊マニラ新聞」記者の水谷竹秀が取材したノンフィクション「日本を捨てた男たち フィリピンに生きる『困窮邦人』」(2011年、集英社刊)が、第9回開高健ノンフィクション賞を受賞するなど話題となっている。