カナダの歴史学者ウィリアム・H・マクニール著の歴史書(中央公論新社刊、増田義郎・佐々木昭夫訳、上・下巻各税込1400円)。文明の興亡や文明間の影響など、世界史全体の流れを著者の歴史観をもとにまとめた内容で、原書の発行は1967年。2008年に上・下2巻の構成で文庫化された。「世界で40年以上読み継がれている名著」というキャッチコピーのもと、東京大学の生協などで人気に火がつき、一般書店での売れ行きも上昇。12年4月時点で上・下巻合わせて発行部数45万部のベストセラーになっている。同書のほかにも、アメリカの生物学者ジャレド・ダイアモンドが世界の文明史を描いた「銃・病原菌・鉄(上・下)」(草思社刊)の文庫版が発行部数27万部に達するなど、世界の通史を扱う書籍が人気を集めている。