作家の村上春樹が2013年4月12日に出版した長編小説(文藝春秋刊、税込1785円)。高校時代の親友4人から突然絶縁され、心に傷を負った主人公「多崎つくる」が、その16年後、真相を知るために友人たちのもとを訪ねる、というストーリー。13年2月16日に刊行が発表された後、内容についてはいっさい公表されなかったため、発売前から大きな話題になり、発売日当日には同氏作品の熱心なファンである「ハルキスト」らが一部の書店で行列を作った。また、予約開始直後から多数の予約が入ったため、発売前から増刷が重ねられ、発売から7日目の4月18日には100万部のミリオンセラーに。10年4月に出版された前作「1Q84 BOOK3」(新潮社刊)の発売12日目を上回り、同氏の作品で最速のミリオン到達となった。ちなみに、タイトル名の「巡礼の年」は、ロマン派の作曲家フランツ・リストの同名のピアノ曲集からとられ、また、カバーにはアメリカの抽象画家モーリス・ルイスの作品が使われている。