社員を過酷な労働環境で働かせ、使い捨てにする企業のこと。ブラック会社と呼ぶこともある。長時間労働の強要、残業代の不払い、パワーハラスメント(パワハラ)などの違法行為や、厳しいノルマ、低賃金などが常態化していることがその特徴とされる。人材育成の意識が希薄なのも特徴で、新入社員を大量に採用しておき、過酷な労働に耐えられる人以外に対しては、いじめやパワハラで自己都合の退職に追い込む例も多い。2000年代後半ごろから、インターネット上で使われ始め、書籍やテレビ番組で取り上げられて広く知られるようになった。長引く就職難で学生側に就職先を選択する余地が少ないことが背景にあるといわれる。12年には、弁護士、NPO法人代表などからなる「ブラック企業大賞実行委員会」が、インターネット投票などに基づいてブラック企業大賞を発表し、東京電力などに「授賞」したことで話題となった。13年4月には、自由民主党の雇用問題調査会が悪質な企業の社名公表などの措置を取るよう政府に提言した。