特定の人種や民族、国籍、宗教などに属する集団を公然と侮辱したり、そうした人々に対する差別や暴力をあおり立てたりする言動。日本では「憎悪表現」と呼ばれることもある。デモや集会などで特定の集団を侮辱する行為を「民衆扇動罪」としているドイツをはじめ、イギリスやフランス、カナダなど、こうした行為を法律で禁じている国は多い。1969年に発効した国連の人種差別撤廃条約でも、人種差別の扇動に対しては法律で処罰するよう求めている。同条約には日本も95年に加入しているが、人種差別やヘイトスピーチに対する法規制はなされていない。近年、東京都新宿区の新大久保周辺などで繰り返されている「反韓デモ」では、参加者が「韓国人を殺せ」などと過激な主張をすることがあり、一部の国会議員や市民団体などからはヘイトスピーチの規制を進めるべきだとの意見も出されている。