「永遠の0」(太田出版刊)などの著作で知られる作家の百田尚樹が2012年7月に出版した長編小説(講談社刊、上下巻、各税込1680円)。石油精製、販売大手の出光興産(本社・東京都千代田区)を創業した実在の人物、出光佐三がモデルとなった主人公「国岡鐡造」の生涯を描く。特に、1953年3月、イギリスによる経済封鎖を受けていたイランに向けて同社がタンカーを派遣した「日章丸事件」を大きく取り上げている。発売時点の発行部数は上下巻各3万部だったが、その後、増刷が重ねられ、2013年4月初頭までに上下巻で合計48万部に。同月9日に「第10回本屋大賞」を受賞したことでさらに話題を集め、12日には合計100万部のミリオンセラーになった。