病院が入院患者に提供する病院食の調理法などを紹介したレシピ本。健康を考慮して、カロリーや塩分を抑えた料理を中心に掲載しており、「薄味でおいしくない」という一般的な病院食のイメージを覆すような味や見た目にこだわったメニューも多く、出版各社から刊行が相次ぐブームとなっている。その先駆けとなったのは、2012年5月に出版された「せんぽ東京高輪病院 500kcal台のけんこう定食」(ワニブックス刊)で、13年7月時点で約7万部を発行。ほかに、「聖路加国際病院の愛情健康レシピ」(12年6月、永岡書店刊)、「きよせの森総合病院の極上健康レシピ」(12年11月、ソフトバンククリエイティブ刊)なども人気を集めている。こうしたレシピ本の中でも特に大きな話題を呼んでいるのが国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の食事を紹介した「国循の美味しい! かるしおレシピ」(12年12月、セブン&アイ出版刊)で、発売後5カ月で25万部を発行するベストセラーとなった。