高収入を求めず、プア(少ない収入)でも生活を充実させている人や生き方。宗教学者の島田裕巳が2013年8月に出版した著書「プア充」(早川書房刊)で、欲を持たずに、現状に満足するという東洋思想の「少欲知足」をベースにアレンジした生き方として提言した。同氏は、過剰な労働や割に合わない収入で将来に不安を持つより、ストレスの少ない仕事をし、低いながらも安定した収入を得て、希望のある未来を持つ新しい生き方が必要だと指摘し、「年収300万円だからこそ、豊かで幸せな毎日」が送れるとした。また、社会全体が豊かになった日本では社会インフラが整っているため、少しの金で生活が維持でき、美術館や博物館などでも安い料金で芸術作品を味わうことができるなどとして、「プア充」を勧めている。