掲載された飲食店で割引サービスが受けられる特典つきの地域限定ガイドブック。略称は「ランパス」。数十から100店程度の飲食店が紹介されており、店でランチを食べる際に本を提示すると、通常700円から1000円前後のランチを500円で食べられる。発行から3カ月の有効期限内であれば、1冊で3回程度まで利用できる店も多い。もともとは、高知県でタウン誌などの発行を手がけるほっとこうち(本社・高知市)が、タウン誌に掲載した「500円ごはん」という特集が原型。特集の好評を受けた同社が、2011年4月に1冊の本にまとめて出版したところ、口コミで話題を集め、1万2000部を完売するヒット作になった。同社は12年にランチパスポートを商標登録し、他の地方の出版社などにこの仕組みを提案。14年8月末までに35都道府県に広まった。読者にとっては昼食代の節約になり、店側は集客効果が期待できるうえ、地方出版社の売り上げ増加にもつながる取り組みとして注目を集めている。