地中海地域原産のナス科の多年草。学名はMandragora officinarum。マンドラゴラとも呼ばれる。高さ30センチほどの花茎を伸ばし、春に白または淡青色の花を咲かせる。初夏には、旧約聖書の創世記で「恋なすび」と記された小さな青リンゴのような実をつける。アトロピンなどのアルカロイドを含む有毒植物で、中世ヨーロッパでは微量の根を麻酔薬や鎮痛薬に用いた。太い根が二股に分かれ、人間のように見えることから様々な伝説がつくられ、根を引き抜くと悲鳴を発し、その声を聞いた人を発狂させるという言い伝えもある。映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では、マンドレイクをモデルにした植物が登場する場面がある。2014年1月下旬に、国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)で数年前から育てていたマンドレイクが初めて開花し、話題となった。