家事労働を軽視したり押しつけたりすることで、それを担う人を苦しめること。「家事労働ハラスメント」の略。もとは、ジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子が2013年10月に出版した「家事労働ハラスメント」(岩波書店刊)の中で用いた造語。同書は、日本の社会システムが家事労働を無視、過小評価し、主に女性に押しつけてきたことで、結果的に男女ともに生きにくくなっていると指摘した。ところが、14年7月に旭化成ホームズ(本社・東京都新宿区)が同社の共働き家族研究所の調査をもとに、家事ハラをテーマとした広告を展開。その中で、夫の家事労働に対する妻のダメ出しを家事ハラと定義したうえで、夫の約7割が家事ハラを経験したことがあるとする報告を発表した。この広告に対しては、「夫が家事をしないことを妻のせいにしている」などとする批判が続出し、竹信教授も「本来の意味とは異なる用い方をしている」と同社に抗議する事態に発展。それに伴い、家事ハラが話題のキーワードとして取り上げられることが増え、同年11月に発表された「2014ユーキャン新語・流行語大賞」でも候補50語の一つに挙げられた。