作家の米澤穂信(よねざわほのぶ)が2014年3月に発表したミステリー小説の短編集(新潮社刊)。殺人を犯して刑期を終えた女の願いを描いた表題作をはじめ、新米警官が発砲した理由を探る「夜警」、バングラデシュに赴任したビジネスマンを主人公とした「万灯」など、作風が異なる6編を収録している。精緻に構築されたロジックや、巧みな心理描写が高く評価され、14年5月に発表された第27回山本周五郎賞(新潮社主催)を受賞したほか、同年7月に発表された第151回直木賞(文藝春秋主催)でも候補作にノミネートされた。また、同年末には、「ミステリマガジン」(早川書房刊)が選ぶ「ミステリが読みたい!」、「週刊文春」(文藝春秋刊)の「ミステリーベスト10」、宝島社が主催する「このミステリーがすごい!」のミステリー3賞で、いずれも国内部門1位を獲得、3冠に輝いたことが話題になり、累計18刷13万500部となった。