男性も育児に参加しやすい環境整備などに配慮しながら、自らも仕事と私生活を充実させている管理職や経営者のこと。育児に積極的な男性を指すイクメンとボスを掛け合わせた造語。組織の生産性を高めていくために不可欠な存在になると注目されている。イクボスという言葉が使われたのは、群馬県が2012年、県内企業の事業主らに男性の育児参加を支援するよう意識改革を促すセミナーを「ぐんまのイクメン・イクボス養成塾」と称したのが最初とされる。イクボス養成の動きは活発化してきており、14年12月には、イクメンを支援する活動を行ってきたNPO法人ファザーリング・ジャパン(代表・安藤哲也)が主導して、企業内のイクボス増加を目的とした「イクボス企業同盟」を結成。東急電鉄、みずほフィナンシャルグループなど、11社が参加して活動をスタートした。官公庁も積極的な取り組みを進めており、厚生労働省では、男性の仕事と育児の両立を応援する「イクメンプロジェクト」の一環として、14年に初の「イクボスアワード」を実施。企業などの推薦によって、部下の仕事と育児の両立を支援する上司や経営者を募集・表彰するもので、グランプリには株式会社セプティーニのクリエイティブ部部長の金原高明氏、株式会社ルミネ取締役開発企画部部長の橋本範文氏が選ばれた。また、イクメンとして知られる広島県の湯崎英彦知事がイクボス宣言をするなど、企業、国、自治体で活動の輪が広がりを見せている。