日本の漫画やアニメ、ゲームなどを題材に舞台化したミュージカル。漫画やアニメなど2次元(平面)で描かれた世界と、現実の3次元(立体)との中間という意味でこう呼ばれる。こうしたショーの先駆けとされるのは、宝塚歌劇団が漫画を原作としてミュージカル化し、1974年に初演された「ベルサイユのばら」。93年に始まったミュージカル「美少女戦士セーラームーン」も人気を博した。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた漫画を原作とする「テニスの王子様」のミュージカルは、2003年4月の初演以降、「テニミュ」の愛称で多くのファンの支持を集めるロングラン作品となり、15年3月に累計動員200万人を突破。2.5次元ミュージカルの代表的作品とされる。同作の成功によって、2000年代後半から数多くの作品が舞台化されるようになり、やはり少年漫画を原作とする「弱虫ペダル」「NARUTO」なども人気が高い。こうした作品が若い女性を中心としたファンを集め、13年の観客動員数は延べ160万人を超えた。また、2.5次元ミュージカルは若手俳優の登竜門という側面も持っており、俳優の城田優や斎藤工も「テニスの王子様」への出演経験がある。14年3月には、客層拡大や海外進出の促進を目的とした業界団体の日本2.5次元ミュージカル協会(事務局・東京都目黒区)が設立。15年3月には、東京都渋谷区に2.5次元ミュージカル専用の劇場「AiiA 2.5 Theater Tokyo」がオープンした。