「廃墟」を扱った写真集やガイドブックなどがブームとなっている。ブームの中心は10代後半から30代半ばの世代で、2001年に出版された『廃墟漂流』(小林伸一郎撮影、マガジンハウス)は1万5000部と、この種の写真集としては異例のヒット。02年5月発売の実践ガイドブック『廃墟の歩き方』(栗原享監修、イースト・プレス)も2万6000部に到達した。6~7月には、病院の廃墟を舞台にしたアメリカ映画「セッション9」が単館公開ながら連日満席。若者たちは、非日常的な神秘性とともに、ある種の安心感、癒しを廃墟に求めているようだ。