2001年NHK大河ドラマ「北条時宗」で主人公を演じるなど、アイドル狂言師として知られる和泉元弥が、02年にはトラブルメーカーとしてテレビのワイドショーや女性週刊誌をにぎわした。発端は、元弥が各地で公演の早退・遅刻や、いわゆるドタキャンを繰り返したこと。原因は移動がとうてい不可能な時間帯でのダブルブッキングにあり、マネジャー役を務める元弥の母・節子さんには、お茶の間の悪役として「セッチー」というニックネームがつけられた。さらに、「狂言和泉流20世宗家」を名乗る元弥に対して、和泉流内部から「流派の合意を得ていない」と能楽協会に除名申請が出され、「宗家継承問題」がクローズアップされた。協会側は一定の温情を示したが、和泉家側は主張を曲げないまま02年10月に退会命令が決定した。