開業率とは、一定期間に新規に開業した事業所・企業の数が同期間の総事業所・企業数全体に占める割合。廃業率とは、一定期間に廃業した事業所・企業の数が同期間の総事業所・企業数全体に占める割合。日本では、総務省が5年ごとに行っている「事業所・企業統計調査」などで発表される。同調査によると、日本の開業率は1969~72年をピークに減少に転じ、89~91年に廃業率が開業率を上回り、事業所数、企業数ともに減少する傾向がある。厚生労働省の「雇用保険事業年報」によれば、2010年の日本の開業率は4.5%で、欧米の開業率と比較すると、アメリカは9.3%、イギリスは10.2%と半分にとどまる。他の先進国の開業率が平均10%前後であることからも、日本国内の起業は際立って低い。こうした傾向を受けて、第2次安倍政権が13年6月に閣議決定した日本再興戦略には、開業率が廃業率を上回る状態にし、20年までにアメリカ・イギリスと同レベルの10%台に到達させる目標が盛り込まれた。