国境を越えた電子商取引(EC、eコマース)のこと。インターネットを通じて消費者が他国の事業者から購買したり、事業者が海外の消費者向けにサイトを開設して販売したりする。インターネット利用者の増加、販売サイトや物流システムの充実、決済機能の多様化、購入代行サービスの普及などから、こうした取引が世界的に拡大傾向にある。2015年5月に発表された経済産業省の調査報告によると、イギリス、アメリカ、ドイツ、北欧諸国、オランダ、フランスの6市場における越境ECの推計市場規模は、13年の250億ドルから20年には5倍以上の1300億ドルになると推計されている。また、14年の推計では越境ECによるアメリカの日本からの購入額は前年比12.6%増、中国の日本からの購入額は前年比55.4%増となっており、日本企業にとってもビジネス拡大が期待できる分野とされる。15年には訪日中国人観光客による爆買いが話題となったが、越境ECの分野でも中国の消費者による日本製品の大量購入はネット爆買いと呼ばれている。