従来、9地域の電力会社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)が独占していた電力の小売販売が自由化されること。様々な事業者が小売市場に参入することにより、消費者は料金体系、サービス、電源構成などを比較して購入先を選べるようになる。電力自由化の流れは、1995年の電気事業法改正により、電力会社に電力を供給する独立系発電事業者(新電力)の参入が可能になったのが始まり。99年の同法改正により、2000年から送電電圧が7000ボルトを超える「特別高圧」区分の大規模工場、デパートなどを対象に電力小売自由化がスタートし、04年4月、05年4月に「高圧」区分の中小ビルや中小規模工場にも対象が拡大。11年3月の東日本大震災発生によってエネルギー政策に対する国民の関心が高まったこともあり、14年の同法改正で一般家庭も含めた電力小売全面自由化が認められ、16年4月からサービスがスタートした。どの小売事業者から電気を購入しても、既存の電力会社の送配電システムを利用して電気が供給されるので、届けられる電気の質に差はない。ガス会社や石油会社、携帯電話会社、住宅会社など異業種からの新規参入も数多く、ガスと電気のセット割引や携帯電話とのセット割引などの料金プランが登場。また、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを中心に発電を行う事業者から購入することもできるなど、利用者の選択肢が広がり、自らの価値観やライフスタイルに合わせて電力会社を選ぶことができる。