補正予算とは、一般会計の当初予算が成立した後に生じた政策変更のために編成される予算。2016年度の第1次補正予算は16年5月13日に閣議決定され、16日に衆議院本会議で可決、翌17日に参議院本会議で可決、成立した。この補正予算は、同年4月14日から熊本県を中心に連続的に発生した平成28年熊本地震の復興に充てるもので、総額は7780億円。そのうち、約9割にあたる約7000億円は熊本地震復旧等予備費として計上し、あらかじめ使途は定めずに損壊したインフラの復旧やがれきの処理、被災企業の事業再生支援などへの支出に柔軟に対応できるようにした。このほか、避難所の運営や仮設住宅の建設費などに充てられる災害救助費等負担金で573億円、住宅が損壊した被災者に最大300万円を支給する被災者生活再建支援金で201億円、災害弔慰金等負担金等で6億円を計上した。財源は、同年2月の日本銀行によるマイナス金利導入で減った国債の利払い費を使う。迅速な被災地支援を優先させるため野党が政府案に賛成し、地震発生後約1カ月での成立となった。