聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションを支援するアプリケーションソフト。独立行政法人の情報通信研究機構(NICT、本部・東京都小金井市)が開発し、2013年6月11日にiPhoneやiPad向けに公開した。ダウンロードは無料。外国語の同時通訳ソフトに利用されている音声認識や音声合成の技術を用いており、健聴者がスマートフォンやタブレット端末に向かって話した言葉を文字に変換し、聴覚障害者が入力した文字は音声に変換する。また、定型文の登録や、絵文字の入力、手書き入力、地図表示などの機能も備える。複数の端末を接続した状態での会話も可能。12年秋から、ろう学校などで使用試験を行い、操作性の改良などを施した。従来、聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションでは主に手話か筆談が用いられてきたが、手話は使用できる人が少なく、筆談ではやり取りが煩雑になりがちで、意思疎通は容易ではなかった。しかし、近年ではスマートフォンやタブレット端末を持ち歩く聴覚障害者が増えており、同アプリは新しいコミュニケーションツールとして期待されている。