滋賀県の住民が関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを求めた仮処分申請に対し、大津地方裁判所が申請を認めた司法判断のこと。同原発をめぐっては、2014年12月、福井県や京都府などの住民らが3、4号機の再稼働差し止めの仮処分を福井地方裁判所に申請。15年4月14日に差し止めの仮処分決定が出されたが、関西電力が異議申し立てを行い、12月24日に処分が取り消された。その後、関西電力は16年1月29日に3号機、2月26日に4号機を再稼働させたが、同月29日に4号機は変圧器周辺のトラブルで緊急停止していた。14年12月の福井地裁への仮処分申請とは別に、15年1月30日、福井県に隣接する滋賀県の住民29人が大津地裁に再稼働差し止めの仮処分を申請。16年3月9日、大津地裁は、安全性の確保について関西電力が十分な説明を行っていないことなどを理由に、滋賀県の住民の訴えを認めて運転差し止めの仮処分決定を出した。稼働中の原発に対して、直ちに運転を差し止める司法判断は初めて。仮処分決定はすぐに法的な効力が生じるため、関西電力は同月10日に営業運転中の3号機の運転を停止。同月14日に、保全異議および仮処分の執行停止を求める不服申し立て書を大津地裁に提出した。執行停止か保全異議が認められない限り、2基を再稼働させることはできない。